「大胸筋の厚みが出てきたけど形が悪い」「大胸筋の重量が伸びてきたからメニューを増やしたい」
このような考えをお持ちの方は、大胸筋上部、中部に合わせて大胸筋下部も鍛え始めるのがおすすめです。
大胸筋下部は大胸筋の輪郭を形作る筋肉で腹筋とのメリハリをつけるためにも重要な筋肉です。
今回は大胸筋下部の構造と筋トレメニュー、効果的な筋トレ方法について紹介していきます。
大胸筋下部とは



大胸筋は上部・中部・下部に分かれており、中でも上部と下部は意識的に鍛えないとなかなか発達しません。
一般的な大胸筋の作用はベンチプレスの動き(水平に上げた腕を前に持ってくる)が知られており、これをフラットベンチで行うと主に中部ばかりが鍛えられるからです。
ですがベンチの角度を変えて頭の高さ>脚の高さとなると大胸筋上部、脚の高さ>頭の高さとなると大胸筋下部が鍛えられます。
つまり大胸筋下部は上図の筋繊維の走行から分かるように腕を斜め下に押し出すような作用があるのです。
大胸筋下部の筋トレメニュー
大胸筋下部を鍛えるメニューはダンベル、ケーブル、スミスマシンなどいくつかあるのでそれぞれ見ていきましょう。
デクラインベンチプレス(スミスマシン)
大胸筋下部を高重量で鍛えられる種目がデクラインベンチプレスです。
通常のベンチプレスの姿勢で、足をベンチに載せお尻を天井に突き上げるような姿勢を維持したまま行います。
そのため姿勢が不安定になるので、基本的にはスミスマシンがおすすめです。下ろす位置はみぞおちか少し下付近を狙って下ろしていく軌道です。
インクラインベンチプレスやベンチプレスも同時に行う際は、強度とボリューム設定はバランスを取りましょう。
デクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレスはダンベルプレスをデクラインにして行う種目です。通常のダンベルプレスよりも胸の下の方に押し上げるような軌道になります。
バーベルやスミスマシンで行うデクラインのプレスでは得られない下部内側の収縮の刺激も強く入る点が優れています。
デクラインダンベルフライ
デクラインダンベルフライは通常のダンベルフライをデクラインの状態にして大胸筋下部を狙う種目です。
デクラインのプレスやディップスなどの高負荷なトレーニングの後にストレッチ種目として行うことで強烈に下部への刺激が入ります。
ディップス
ディップスは懸垂のように自重で大胸筋下部と上腕三頭筋などに強烈な刺激が入るトレーニングです。
身体が地面と垂直なまま行うと肩の過伸展(肘が体側より過度に後ろにある状態)が起こり、正常の可動域である50度を優に超えて90度弱くらいまでいってしまいます。



これは非常に危険で肩関節の怪我のリスクが非常に高まります。怪我のリスクを避けるために胸を張って肩甲骨が下方回旋した状態(肩甲骨を寄せて下げた状態)を作り、身体を前傾させて行いましょう。
ケーブルフライ
ケーブルを高めに設置して振り下ろすような軌道で行うと大胸筋下部がメインで刺激が入ります。
ベンチプレスと同様に肩甲骨を落として胸を張る姿勢を保って行うことで、ストレッチも収縮もうまく効くようになります。
大胸筋下部の筋トレ効果を高める方法
大胸筋下部の筋トレ効果を高める方法について2つ見ていきましょう。
ミッドレンジ種目とストレッチ種目を組み合わせる
全てのトレーニングに当てはまることですが、POF法を意識してミッドレンジ種目とストレッチ種目を組み合わせましょう。
ミッドレンジ種目とは筋肉が収縮とストレッチの中間で最も負荷がかかる高重量を扱える種目で、今回紹介したトレーニングだとデクラインプレス2つとディップスが当てはまります。
一方、ストレッチ種目とは筋肉がストレッチポジションのときに最も負荷がかかる種目で、今回紹介したものだとデクラインダンベルフライとケーブルフライです。
基本的にミッドレンジ種目→ストレッチ種目の順番に行うことで筋肉に強烈なし刺激が与えられます。



斜め下に押す意識
大胸筋下部の筋繊維の走行を意識して、通常の大胸筋のトレーニングよりもフィニッシュポジションが上になる意識で行いましょう。
具体的にはみぞおちの少し下付近を狙うように押し下げるようにして行います。
ダンベルやケーブルの種目であれば、下部の内側まで刺激を与えられるようフィニッシュポジションで絞り切る意識も合わせて意識したいポイントです。
下部も鍛えて立体感のある大胸筋にしよう
今回は大胸筋下部の構造と筋トレメニュー、効果的な筋トレ方法について紹介してきました。
大胸筋下部は大胸筋の輪郭を形成するために不可欠な筋肉なので、是非鍛えておきたい筋肉です。
大胸筋上部や中部よりも優先度は落ちますが、ベンチプレスで90kg以上を扱えるレベルになれば下部も合わせて鍛え始めると良いでしょう。