グローバル化の影響で、海外留学をしたり、国内で外国人と知り合ったりして英語の得意な人が増えてきています。
「せっかく英語が得意になったから、英語を活かしてフリーランスになって働きたい」
そんな人も増えてきていると思います。
でも、次のような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?
✓ どんな仕事がある
✓ どのくらいの収入が得られる
✓ どの程度のスキルが求められる
✓ どうすればなれる
✓ 仕事はどうやって見つける
✓ どんな準備が必要
そこで、今回はそんな疑問にお応えして、スペイン在住で日本語講師をしている私が、英語を活かせるフリーランスの仕事についての情報をご紹介します。
必要なスキルや収入などについても詳しく説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
高い英語スキルを持つフリーランスは貴重な人材

グローバル化が進む中、海外に拠点を移す日本企業が増えてきています。そのような企業では高いレベルの英語スキルを持つ人材を必要としています。
しかし、日本人の英語能力はお世辞にも高いとは言えず、英語能力指数2022年ランキングでは100か国中55位という成績です。
アジアの国の中でも9位という低い結果が出ています。
ですから、高い英語スキルを持つ人は貴重な人材であるといえます。
その一方で働き方改革により、フリーランスに社内の業務の一部を外注する企業の割合も高まってきています。
ですから、即戦力である高い英語能力を持つ人材をフリーランスで雇うというニーズが今後増えていく事が予想されています。
英語を使ったフリーランスの仕事6選



英語を使った仕事と言うと真っ先に頭に浮かぶのは、通訳や翻訳などの仕事だと思います。
しかし、英語を活かせる仕事は他にもいろいろとありますのでこの記事では、1つ1つ必要なスキルや収入などをご紹介します。
翻訳
翻訳者の仕事は英語の文章を日本語に、または日本語の文章を英語に訳すことです。
一口に翻訳といっても訳す文章によって、大きく3つのジャンルがあります。
- 文芸翻訳:小説などの翻訳
- 実務翻訳:企業のHPや製品の説明書などの翻訳
- 映像翻訳:海外映画やドラマの音声を日本語に翻訳
必要なスキル
高い英語能力
当然ながら高い英語能力が必要とされます。目安はTOEICで900点前後です。
リサーチ力と分野ごとの専門知識
翻訳の仕事に必要なのは英語力だけではありません。多くの翻訳者はそれぞれ自分の得意なジャンルを持っています。
得意なジャンルについての専門知識を持っていることは言うまでもありません。
日々変化している現代社会においては、新しい言葉についてリサーチをする能力も必要になってきます。
表現力と日本語力
翻訳の仕事はただ機械的に英語を日本語に訳せばいいというものではありません。
英語圏と日本との文化の違いなども考慮に入れ、読みやすい日本語にする能力も求められます。
収入
翻訳者の収入は、専門性や経験、実績により大きく変わります。文芸翻訳、実務翻訳、映像翻訳のそれぞれの収入は以下の通り。
- 文芸翻訳:年収480万~800万
- 実務翻訳:年収300万~500万
- 映像翻訳:年収480万~600万程度
さらに単語当りの単価は以下のようになっています。
- 工業技術やコンピューターマニュアル:1語当り28円前後
- 金融や財務に関連:1語当り30円前後
- 医薬や薬学などの専門性の高いジャンル:1語当り35円前後
フリーランスの場合、副業で年収100万円に満たない人もいれば、専業で1000万円を超える人もいます。
英語講師



英語講師は文字どおり英語を教える仕事ですが、教える場所や会話を教えるのか文法を教えるのかによっていくつかに分かれます。
学習塾・予備校の講師
個別指導塾や予備校などで学校英語を教える仕事です。
小中学生や高校生に受験のための英語を教えるので、英会話ではなく受験英語です。
必要なスキルは、中学校、高校で習った英語を完全に理解していることです。
TOEICの点数は必要ありません。むしろ必要なのは子供と接するのが好きなことと教育に対する情熱です。
収入は月収25万程度ですが、生徒から人気がでて生徒が友達を紹介したり生徒数が増えたりするとボーナスが出て年収1000万を超える講師もいます。
企業対象のビジネス英語講師
企業の社会人にビジネス英会話を教える仕事です。
大手外資系や日系企業の社員にビジネス英語を教えます。
また、英語教育サービスプログラムの構築運営や教材作成などの業務もあります。
必要なスキルは、TOEIC900点以上とハードルが高くなります。
収入は、経験にもよりますが時給3,500円~4,000円程度 年収にすると平均326万ほどになります。
オンライン英会話教室の講師
オンライン英会話教室でいきなりネイティブの外国人講師と話すのはハードルが高め。
そんな時に日本人講師なら気軽に質問ができるから安心できる。そんな理由で日本人講師を選ぶ生徒さんに英会話を教える仕事です。
家にいながら仕事ができるので海外経験のある主婦の方などにおすすめです。
必要なスキルは、TOEIC750点以上、海外経験1年以上などになります。
収入は経験やクラスの種類により時給1000円から3000円程度と幅があります。
ツアーコンダクター



ツアーコンダクターは団体旅行ツアーのスケジュールの管理をする仕事です。
主な仕事は以下の通り。
- 行程の案内
- 現地スタッフとの観光地での時間配分の打ち合わせ
- 宿泊や食事の手配確認や調整
- 急病や盗難などのトラブルへの対応など
必要なスキル
旅程管理主任者資格
ツアーコンダクターになるために必須の資格が旅程管理主任者資格です。
官公庁に認可された学校などの登録研修機関で研修を受けることで取得できます。
国内旅行のみに添乗できる「国内旅程管理主任者資格」と海外旅行の添乗もできる「総合旅程管理主任者資格」の2種類あります。
英語を活かしたい人は「総合旅程管理主任者資格」を取る必要があります。
英語力
海外ツアーに添乗する時は当然ですが英語力が必要になります。
現地ガイドとの打ち合わせ、空港での搭乗手続き、ホテルのスタッフとの打ち合わせ、トラブルの時の対応などに英語でのコミュニケーションが必要になります。
TOEICの点数だと600点以上が必要になります。
コミュニケーションスキル
ツアーコンダクターはお客様以外にも様々な人たちとコミュケーションを取らなければなりません。
バスのドライバーさん、ホテルやレストランなどのスタッフ、現地ガイドさんなどとの密なコミュニケーションが必要になります。
お客様に楽しい旅行をしてもらうために、多くのスタッフが気持ちよく仕事ができるように気を配ることのできるコミュニケーションスキルが求められます。
収入
ツアーコンダクターの平均年収は370万円(厚生労働省調査)です。
ツアーコンダクターはほとんどが派遣社員で報酬は、時給あるいは日給の場合が多いです。
日給は経験によって違ってきますが、国内ツアーで7,000円から12,000円、海外ツアーで
8,000円から25,000円が相場のようです。
WEBライター



副業ブームでブログなどweb上で情報発信する人が増えてきたこともあり、webライターのニーズが高まっています。
webライターとは、ブログなどのwebサイトの記事をアウトソーシングとして書く仕事です。
その中で特に海外に向けた情報発信、海外の情報を日本向けに発信するライターの仕事であれば英語を活かすことができます。
必要なスキル
英語力
海外に情報を発信する場合は0から英語の文章を書くことになるので、海外の情報を日本語に訳すよりも高い英語能力が要求されます。
TOEICで800点以上は必要になるでしょう。
ライティングスキル
英語、日本語に関わらずwebライターにはライティングスキルが求められます。
読み手の検索意図にそったわかりやすい記事を書くだけでなく、SEO対策も意識したライティングスキルが必要です。
収入
webライターの仕事は、通常1文字当りの単価で決まります。
単価にはライターの経験や専門性によって0.5円から4円程度までと大きな違いがあります。
実績のないうちは、高単価の案件を受けることは難しいので、初心者のうちは0.5円程度の案件から初めるのがいいでしょう。
少しづつ実績を積み重ねていけば単価の高い仕事を受けられるようになります。
また、英語を使う案件は比較的単価が高いものが多いので、英語力と専門性をかけ合わせれば高単価の案件の獲得も狙えます。
インターネットショップ



海外で人気の商品を日本のネットショップで販売する、あるいは逆に日本の商品を海外のECサイトで販売する仕事です。
必要なスキル
英語力
海外の商品を日本に紹介する場合、英語のwebサイトの内容を理解する必要があります。
日本の商品を海外のECサイトで売る場合、英語でのサイト作成が要求されます。
ですから、日常会話レベルの英語が必要でしょう。
サイト作成スキル
商品をECサイトで販売するためには、webサイトを作らなければなりません。
webサイト作成のためのITスキル、webデザインの知識、SEOに関する知識なども求められます。
ネットショップ運営スキル
ネットショップを繁盛させるには、総合的な販売能力が要求されます。
売れる商品を見極めて仕入れ、商品を管理し、広告宣伝を企画するようなスキルが必要でしょう。
収入
ネットショップの年収は年商の2割といわれています。年商が1000万円なら年収は、200万円ということです。
もちろん売り上げは取り扱う商品、広告や宣伝の仕方など様々な要因で決まってきます。
一概には言えませんが、やる気と努力次第では大きな収入を得ることのできる夢のある
フリーランスの仕事だといえます。
秘書・ビジネスサポート



ビジネスサポートの仕事は、英文で書かれたビジネス文書の翻訳、海外の取引先とのメールのやり取り、海外の企業サイトの翻訳、海外向けのwebサイトの作成などがあります。
いずれの仕事も英語が生かせる仕事といえます。近年はこのような仕事をフリーランスに外注する企業が増えてきています。
必要なスキル
ビジネスレベルの英語能力が必要になります。勤務する企業や部署によっては専門的な知識を要求される場合もあります。
例えば、IT、医療、保健など専門知識の必要な部署であれば関連する英単語などを学ぶ必要も出てくるでしょう。
収入
秘書の仕事は専門性が高いため、一般の事務職より収入は高めになっています。
平均年収は300万から500万程度です。
英語を使う外資系企業での収入はもっと高水準になっていることが多いです。
英語を使ったフリーランスの仕事の探し方
たとえ、フリーランスとして必要なスキルを身に付けていても仕事を見つけられなくては収入を得ることはできません。
ここでは、今までに述べてきたフリーランスの仕事を見つける方法をご紹介します。
クラウドソーシングで探す
クラウドソーシングサービスとは、仕事の発注者と受注者を結ぶweb上のプラットフォームです。
仕事の発注者はプラットフォーム上に必要な人材の求人情報を掲載します。
受注者は掲載された情報の中から自分にあった求人に募集し、お互いの条件が合えば契約が成立して仕事を開始します。
代表的なクラウドソーシングサービスには以下のものがあります。
主な特徴は以下の通り。
- クラウドワークス・ランサーズ、Bizseek:翻訳・秘書など多様な案件が豊富
- サグーワークス:ライティング特化
- シェフティ:主婦向けの案件が豊富
- CONYAC、gengo、訳すYAQS:翻訳
特にフリーランスで働くにはクラウドワークス・ランサーズは必須、英語を活かすならCONYAC、gengo、訳すYAQSもおすすめです。



SNSで情報を発信する
フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどのSNSで自分のスキルや活動などを頻繁に発信していると、思わぬところから仕事のオファーが舞い込むこともあります。
また、フェイスブックには様々なグループがあります。
自分の得意なジャンルのグループに参加して、こまめに投稿していると新しいつながりが見つかる可能性もあります。
他にもLinkedlnを利用するのもおすすめです。
Linkedlnはビジネス専用のSNSで、ここに登録してどんどんつながりを申請していくとあなたのスキルに合った企業から求人の申し込みがやってきます。
プロフィールを充実してあなたのスキルをアピールしましょう。
フリーランスのコミュニティや交流会に参加する
フリーランスの仕事を獲得するには人脈を広げることが欠かせません。
ちょっとした会話の中で、「こんな人探してるんだけど」「それならピッタリの人がいるよ」などと、思わぬチャンスをつかむことができます。
フリーランス同士の交流の中から新しいビジネスチャンスが生まれてくるのです。
主なコミュニティをご紹介します。
フリーランス協会
フリーランス協会は、フリーランスやパラレルワーカーの有志が主体となって設立された非営利団体です。
フリーランス版イエローページともいえるフリーランスDBにプロフィールやポートフォリオを公開するとビジネスチャンスを広げることができます。
新しい働き方LAB
新しい働き方LABはランサーズが運営する日本最大級のフリーランスコミュニティです。
全国のコワーキングスペースを拠点として会員同士のつながりやお互いのスキルの向上を図っています。
不定期ですが各拠点のコミュニティマネージャーやランサーズ主催のイベント・セミナーが開催されています。
フリーランスナウ
フリーランスナウは仕事を依頼したい人とフリーランスをマッチングする日本最大級のフリーランスコミュニティです。
オフラインでのイベントも頻繁に行われているので人脈を広げるにはもってこいのコミュニティです。
英語を活かしたフリーランスに必要な準備



英語以外のフリーランススキルを磨く
フリーランスとして独立したいのであれば、英語のスキルはもちろんそれ以外のスキルも磨くことがとても重要です。
磨いておくべきスキルには以下のものが挙げられます。
- 仕事関連の知識やスキル
- 発注者とのコミュニケーション
- 税金関係の知識
- 働けなくなった場合の保険の知識



インターネット環境など
フリーランスとして仕事をするならパソコンなどのインターネット環境は必須のツールです。
クラウドソーシングサービスを利用して仕事を探したり、発注者とのやり取りをするために必ず必要になります。
スマホでできないことはないですが、作業効率やどこでも仕事ができることを考えてノートパソコンは用意しておきましょう。
また、発注者とのやり取りのために、チャットワーク、ZOOM、グーグルスプレッドシートなども使えるようにしておきましょう。
名刺
フリーランスのコミュニティや交流会などで人脈を広げるために名刺は欠かせません。
名刺を使って積極的に自分を売り込んでいきましょう。
名刺には以下の内容を入れると良いでしょう。
- 翻訳家などの肩書き
- これまでの実績
- 自身のSNSやHPのURL
- 印象に残るような写真やイラスト
英語を活かしたフリーランスになるためのマインドセット
フリーランスとして仕事をしていく事は甘くはありません。
会社員と違い毎月決まった収入が入ってくるわけでもなく、けがや病気をしたときは、何の保障もない厳しい世界です。
ですから、いきなり独立するのではなく、まずは副業として少しづつ実績を積んでいきましょう。
少しづつ収入が増えて来て本業の収入を超えるようになったら独立を考え始めるのが賢明な方法だと思います。
英語を活かし理想の働き方を実現しよう
今回は、英語を活かしたフリーランスの仕事について紹介してきました。
グローバル化が進む現代社会において英語の需要は高まることはあっても減ることはありません。
今のスキルをさらに磨き、しっかりとした準備をしてフリーランスを目指しましょう。


