こんな疑問にお答えします。
結論、ダンベルで大胸筋を鍛えるとなると選択肢はかなり限られますが、角度をつけることでバリエーションは増やせます。
- 大胸筋は上部・中部・下部に分かれる
- 大胸筋はベンチの角度を変えることで上部や下部も鍛えられる
- 大胸筋を鍛える際はブリッジが非常に重要
ダンベルで行う腕トレメニューを知りたい方はこちらもご覧ください。




筋トレ前に理解すべき大胸筋の構造



大胸筋は上図のように上部・中部・下部に分かれています。
上部は鎖骨、下部はみぞおちにつながっており、いずれも反対側は上腕が末端となっています。それぞれの主な作用は以下の通り。
- 上部:肩関節の屈曲(腕を前方に上げる)
- 中部:肩関節の水平屈曲(腕を水平に閉じる)
- 下部:肩関節の内転((腕を下方に下ろす)
ベンチプレスで例えると、下記のイメージです。
- 上部狙い→斜め上に上げる
- 中部狙い→真上に上げる
- 下部狙い→斜め下に上げる
斜め上や斜め下はベンチの角度を調整したり、脚を上げたりすることで調整します。






大胸筋をダンベルで鍛える筋トレメニュー
大胸筋を鍛えるダンベルメニューを紹介していきます。
- ダンベルプレス
- ダンベルフライ
- インクラインダンベルプレス
- インクラインダンベルフライ
- デクラインダンベルプレス
- デクラインダンベルフライ
大胸筋中部①ダンベルプレス
おおよその重量の目安
- 初心者:10〜20kg
- 中級者:20〜40kg
- 上級者:40kg〜
ダンベルプレスは、ベンチプレスをダンベルで行うものです。
バーベルで行うよりも手首にかかる負担が少なく、下降時の可動域が広がるので、ストレッチの刺激も強いのがポイント。
- ダンベルを両手に持ったまま、ベンチに仰向けになる
- 肩甲骨を寄せたまま胸を張り、ダンベルを肩の真上にセット
- 胸を張った状態で肘を外側に開きながら、体側に向かって下ろしていく
- 肘が直角になるくらいまで下ろしたら弧を描くように身体の中心部に向かって持ち上げる
フォームが同じであるベンチプレスも気になる方は、こちらもご覧ください。



大胸筋中部②ダンベルフライ
おおよその重量の目安
- 初心者:5〜15kg
- 中級者:15〜25kg
- 上級者:25kg〜
ダンベルフライはダンベルが円運動を行うようにして、大胸筋を強烈にストレッチさせる種目です。
肘を伸ばし切ることはなく、常に曲がったまま行いますが、その際の角度がポイントとなります。
ボトム付近で肘の角度は直角くらい、トップポジションは真っ直ぐな肘を180度とした場合に170度くらいと少しだけ曲げる感覚で行いましょう。
- ダンベルを持ってベンチに仰向けになる
- 肩甲骨を寄せて十分に胸を張り、肩の真上にダンベルをセット
- 胸を張ったまま、肘を外側に開きながら大胸筋をストレッチさせる
- ダンベルが胸の高さくらいまで下ろしたら弧を描くように持ち上げる
大胸筋上部③インクラインダンベルプレス
おおよその重量の目安
- 初心者:10〜20kg
- 中級者:20〜35kg
- 上級者:35kg〜
インクラインダンベルプレスは、ベンチの角度を傾けて大胸筋上部をターゲットにしたダンベルプレスです。
基本動作はダンベルプレスと同様にして、ボトムで肘の角度が直角くらいになるのがポイントです。
また、脇を開きすぎると肩の怪我につながるので、60〜80度くらいに閉じて行います。
- ベンチの角度を30〜45度程度に設定する
- ベンチに座って、ダンベルを握り、肩の真上にセット
- 肩甲骨を寄せて十分に胸を張り、ダンベルを下ろしていく
- ボトムで前腕が垂直になるくらいまで下ろしたら弧を描くように持ち上げる
大胸筋上部④インクラインダンベルフライ
おおよその重量の目安
- 初心者:5〜10kg
- 中級者:10〜20kg
- 上級者:20kg〜
インクラインダンベルフライは、ベンチの角度を傾けて行うダンベルフライで大胸筋上部をターゲットにして行います。
大胸筋上部をメインで狙うため、肩の屈曲(腕を前方に上げる)動作狙いで脇を少し閉じて、斜め上に挙げる軌道で行うのもよいでしょう。
- ベンチの角度を30〜45度にセット
- ダンベルを両手に持ってベンチに座る
- 胸を張った状態で肩の真上にダンベルをセット、手のひらが向かい合うように角度を調整
- 肘を外側に開きながら、ダンベルを下ろしていく
- ダンベルを胸の高さくらいまで下ろしたら弧を描くように持ち上げる
大胸筋下部⑤デクラインダンベルプレス
おおよその重量の目安
- 初心者:10〜20kg
- 中級者:20〜35kg
- 上級者:35kg〜
デクラインダンベルプレスは、脚より頭が低くなるようにして行うダンベルプレスです。
脚側を高くできるベンチでない場合は、台の下にプレートを置くか、ベンチに脚を乗せて行いましょう。
大胸筋下部は斜め下に押すようにすることで効きやすくなるので、その意識が重要です。
- 両手にダンベルを持った状態でベンチに仰向けになる
- ベンチに脚を乗せて頭と肩、足のみがベンチに着くようにする
- ダンベルを肩の上でセットし、肩甲骨を寄せて胸を張る
- 胸を張ったまま、肘を外側に開きながらダンベルを下ろしていく
- ダンベルが胸の高さくらいまで下ろしたら、弧を描くように持ち上げる
大胸筋下部⑥デクラインダンベルフライ
おおよその重量の目安
- 初心者:5〜10kg
- 中級者:10〜20kg
- 上級者:20kg〜
デクラインダンベルフライは、頭より脚側を高くした状態で行うダンベルフライです。
フォームは通常のダンベルフライと基本同じですが、上げる時に小指同士を寄せるようにすると収縮感が強まります。
- 両手にダンベルを持って、ベンチに仰向けになる
- 足をベンチの上に乗せて、ダンベルを肩の真上にセット
- そのまま肩甲骨を寄せて胸を張り、手のひらが向かい合うよう手首の向きを調整
- 肘を外に開きながら、ダンベルを下ろしていく
- ダンベルが胸の高さくらいまできたら、元に位置まで持ち上げる
大胸筋をダンベルで鍛えるポイント
大胸筋をダンベルで鍛える際に意識すべきポイントは以下の2つです。
- ブリッジを作る
- 筋肥大と筋力アップに分ける
ブリッジを作る

大胸筋のトレーニング全般で「ブリッジを組む」という言葉が用いられます。
これを肩甲骨を寄せる、胸を張ると勘違いしている人がいますが、厳密には
ブリッジ=肩甲骨の内転(肩甲骨を寄せる)+肩の下制(肩を下に下ろす)
です。
簡単に言えば、肩甲骨を横ではなく斜め下に向かって寄せるイメージ。
筋肥大と筋力アップに分ける
大胸筋を週に2回鍛えるという場合、2回とも高重量を扱っていると関節の怪我のリスクが非常に高まります。
さらに毎回同じ刺激になるという点でも筋発達に良くありません。
これらを考慮して、筋力アップの日と筋肥大目的の日の2つに分け、交互に取り組むのがおすすめ。
また、これから紹介するメニューはPOF法を軸に考えているので、自分で独自のメニューを作っていきたい方はこちらもどうぞ。




筋力アップ
筋力アップでベーシックに組む場合は、以下のメニューが基盤となります。
重量 | 回数 | セット数 | インターバル | |
ダンベルプレス | 85〜90%RM | 5 | 5 | 3分 |
インクラインダンベルプレス | 75〜80%RM | 8〜10 | 3 | 2分 |
ダンベルフライ | 65〜70%RM | 10〜15 | 3 | 60〜90秒 |
インクラインダンベルフライ | 65〜70%RM | 10〜15 | 3 | 60〜90秒 |
筋肥大
筋肥大目的でメニューを作ってみました。
重量 | 回数 | セット数 | インターバル | |
ダンベルプレス | 75〜80%RM | 8〜10 | 3 | 2分 |
デクラインダンベルプレス | 75〜80%RM | 8〜10 | 3 | 2分 |
インクラインダンベルフライ | 65〜70%RM | 10〜15 | 3 | 60〜90秒 |
デクラインダンベルフライ | 65〜70%RM | 10〜15 | 3 | 60〜90秒 |
組み方のバリエーションは様々ですが、意識すべきは下記のポイントです。
筋力アップ時と比べて
- 重量は全体的に下げて10〜15回くらいで限界が来るくらいにする
- 筋力アップ時にできていないメニューを入れる
- 筋力アップ時よりも可動域を広く、スピードを遅くしてみるなど変化を加える
スタミナに余裕がある場合は、最後に腕立て伏せを足してみてもいいかもしれないですね。
大胸筋の筋トレ時の必須グッズ
続いて、大胸筋を鍛える際に揃えておくべき必須グッズを紹介します。
可変式ダンベル
初心者のうちは重量が固定しているダンベルでも十分だと思いますが、それで追い込めなくなったら可変式ダンベルに乗り換えましょう。
可変式ダンベルの重量の基準は初心者から中級者入りたてくらいで20kgくらい、中級者から上級者となると30〜40kgがおすすめです。
ATIVAFIT
初心者から中級者くらいの方向けは、ATIVAFITの可変式ダンベルです。
NUOBELL
一方、中上級者におすすめの可変式ダンベルはNUOBELLです。
スウェーデンで開発された利便性・デザインに優れているのが魅力です。
重量は2kg刻みで重量変更可能で、最大32kgとなっています。
現在、2個セットで購入すると通常価格から15%オフとなり、59,500円(税込)で購入できます。
また、ベンチとセットで購入するとダンベル+ベンチで84,300円(税込)です。長期的に筋肉を成長させていくために、今すぐ可変式ダンベルに乗り換えましょう。



ベンチ
ベンチも大胸筋のトレーニングでは欠かせません。
角度を変えられないフラットベンチと、変えられるアジャスタブルベンチがありますが、圧倒的にアジャスタブルベンチがおすすめ。
アジャスタブルベンチのおすすめは、FLYBIRDです。
Amazonのアメリカ版で最も売れているベンチで、組み立て不要・折りたためるというのが強みです。
自宅で筋トレしない時でも場所を取らないので、家族からの目も気になりませんね。
ヨガマット
ストレッチ用・腕立て伏せ用にヨガマットも揃えておいて損はありませんよ。
おすすめはprimasoleのヨガマット。滑りにくく、程よいクッション性・破れにくさが魅力です。
筆者のように疲れた時にストレッチをしたい方なら、フォームローラーも併せて買っておくと重宝しますよ。
もっと本格的にホームジムを作りたい方はこちらもご覧ください。



まとめ:ダンベルで行う大胸筋の筋トレメニュー
今回はダンベルで行う大胸筋を鍛えるメニューについて紹介してきました。
自宅での筋トレだと、なかなかバリエーションが限られてしまうが角度を変えるだけでも上部や下部などポイントを変えられるので、ぜひ試してみてください。










