「自宅で筋トレを始めようとダンベルを買ったけど、どんなメニューをやれば良いかわからない」
このようにお考えではありませんか?筋トレを始めて間もないうちは、各筋肉がどのような動きで鍛えられるのかが分からないため、メニューも思いつかないものです。
今回は、筋トレ初心者におすすめのダンベル用トレーニング、各部位をどのように鍛えるのかについて紹介していきます。
筋トレ初心者がダンベルで鍛えたい部位①胸
胸の筋肉・大胸筋は日常生活ではなかなか鍛えられないため、分厚い胸板を手に入れるには筋トレが欠かせません。
YouTubeでの自宅トレ動画ではや腕立て伏せが多いですが、ダンベルがある場合はぜひ活用しておきたいです。
鍛えられる筋肉
大胸筋



大胸筋は上部・中部・下部に分かれており、上部は腕が斜め上に押し上げる働き、中部は腕を外から内に水平に持ってくる動き、下部は腕を斜め下に押し下げる働きがあります。
初心者はまず中部のトレーニングで基盤を身につけた上で、上部と下部の鍛え分けを始めると良いでしょう。
大胸筋を鍛えるダンベルメニュー①ダンベルプレス
やり方
- ダンベルを持ったまま、ベンチに仰向けになる
- 肩甲骨を下方回旋の状態にして脚を踏ん張る
- ダンベルを肩の真上にセットし、前腕が地面と垂直な状態で下ろしていく
- 十分にストレッチしたところでスタートポジションまで弧を描くように挙上する
ダンベルプレスはベンチプレスのバーをダンベルにして行うものです。度々「ブリッジを組む」という言葉が聞かれますが、これは肩甲骨の下方回旋(肩甲骨を寄せて下げた状態)を指します。
肩甲骨の下方回旋を維持したまま行うことで、大胸筋への刺激が入り、肩の怪我のリスクが減ります。
また、重量はバーベルの時よりも落ちるので、初めての方はウォーミングアップで適切な重量を探していきましょう。
大胸筋を鍛えるダンベルメニュー①ダンベルフライ
やり方
- ダンベルを太ももに載せた状態でベンチ台に仰向けになる
- 肩甲骨を下方回旋の状態にして脚を踏ん張る
- 掌が向かい合うようにしてダンベルを肩の真上にセットする
- 肘を曲げて外側に張り出すようにして、ダンベルを下ろしていく
- 大胸筋が十分にストレッチしたら、弧を描くような軌道で肘を伸ばしながら挙上する
ダンベルフライは、大胸筋がストレッチポジション(伸び切った状態)で負荷がきつくなる種目です。
ベンチプレスと合わせて取り組むことで、より形の整った大胸筋に近づきます。最初は胸の中央を行い、慣れてきたら上部や下部を取り入れていきましょう。
筋トレ初心者がダンベルで鍛えたい部位②背中
続いて、背中の筋肉である広背筋と僧帽筋について紹介していきます。
鍛えられる筋肉
広背筋
広背筋は上部と下部に分かれており、上腕骨から腰の仙骨付近まで広がる大きな筋肉です。
いわゆる「背中の広がり」とは特に広背筋上部が発達した状態を指し、正面からでも広背筋が確認できます。
基本的に懸垂やラットプルダウンで鍛えるのがベストですが、自宅トレーニーでダンベルしかないという場合は以下の種目がおすすめです。
広背筋が背中の側面に広がる一方で、首の根本から背中の中央に向けて広がるのが僧帽筋です。
僧帽筋
僧帽筋(上図右)は上部・中部・下部に分かれており、それぞれ肩甲骨の挙上・内転・下制という作用があります。
いわゆる「背中の厚み」とは主に僧帽筋の発達を指しており、鍛えることで分厚い身体が得られるだけでなく肩こりの予防やトレーニング時の肩甲骨の安定にも影響する筋肉です。
背中を鍛えるダンベルメニュー①ダンベルベントオーバーローイング
やり方
- ダンベルを両手に持った状態で脚幅は肩幅程度にする
- 少し膝を曲げて、上体を前傾させる
- 胸を張り、肩甲骨を寄せながら肘を後方に引き上げる
- ダンベルを腰付近まで引きつけたら下ろしていく
ダンベルベントオーバーローイングは、背中の中央部にある僧帽筋や菱形筋、外側にある広背筋などを幅広く鍛えられるトレーニングです。
高重量になると前傾姿勢を支えるために脚にあるハムストリングスや大殿筋の耐久力、バーベルを握り続ける握力も必要となります。
これらの筋肉の耐久性がないと、フォームが容易に崩れる種目なので注意しましょう。
背中を鍛えるダンベルメニュー②ワンハンドローイング
やり方
- 片手にダンベルを持ち、反対の手はベンチにつく
- 上体はほぼ水平にして胸を張る
- 骨盤を水平のまま肘を腰に近づけるように斜めに引き上げる
- 腰まで引きつけたら戻していく
ワンハンドローイングはやり方によって、僧帽筋狙いと広背筋下部狙いとで分かれます。
僧帽筋狙いの場合はダンベルがほぼ垂直に持ち上がるような軌道でフィニッシュポジションが背中の真ん中あたりになります。
一方、広背筋下部狙いだと腰に向かって斜めに引き上げるような軌道でフィニッシュポジションは腰あたりになります。
筆者的には、僧帽筋はダンベルベントオーバーローイングで十分に鍛えられるので、広背筋下部狙いで行うのがおすすめです。
筋トレ初心者がやるべきダンベルメニュー③脚
脚は非常に多くの筋肉が存在していますが、今回は大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋のメニューを紹介していきます。
鍛えられる筋肉
大腿四頭筋
大腿四頭筋は上図の4つの筋肉の総称です。膝が伸びていく伸展動作が主ですが、大腿直筋に限っては股関節をまたいでいるため股関節を曲げる屈曲作用もあります。
ハムストリングス
ハムストリングスは上図の通り、3つに分かれており、大腿二頭筋がさらに長頭と短頭に分かれています。
いずれも膝を後ろに曲げる屈曲動作、脚を後ろに振る股関節の伸展動作があります。
殿筋
お尻の筋肉は大殿筋、中殿筋、小殿筋からなる殿筋群です。大殿筋は単一の筋肉の中では最も大きい筋肉です。
いずれも股関節の作用に関わっており、特に脚を後ろに振る股関節の伸展で強く働きます。
また、中殿筋は片足立ちになったときに身体を支える筋肉なのでバランス力を鍛えたい方が鍛えるべき筋肉です。
脚を鍛えるダンベルメニュー①ランジ
やり方
- 背筋を伸ばした上体で両手にダンベルを持つ
- 片脚を前に踏み出す
- 前に出た脚の太ももが地面と平行になったところで元の位置まで踏み戻す
ランジは片脚でスクワットを行うような種目で、大腿四頭筋・ハムストリングス・大殿筋に特に強い刺激が入ります。
片脚に比重がかかるため、左右のバランスを安定させるためにお尻にある中殿筋も動員されます。
下半身の筋力に加えて、左右にぶれにくい安定した身体づくりをしたいアスリートにもおすすめの種目です。
脚を鍛えるダンベルメニュー②ダンベルスクワット
やり方
- 両手にダンベルを持ち、足幅は腰幅から肩幅くらいにする
- 背筋を伸ばしたままでしゃがんでいく
- 太ももが地面と平行になったところで元に位置まで戻していく
スクワットは体全体を鍛えられる優秀な種目で、ベンチプレス・デッドリフトと共に筋トレビッグ3の一つとして多くのトレーニーから重宝されている種目です。
一般的にバーベルで行いますが、ダンベルを両手あるいは片手で持つやり方もあります。
深くしゃがむほど脚の裏側のハムストリングスや大殿筋、脚を開くほど脚の内側の内転筋を鍛えやすい種目です。
筋トレ初心者がやるべきダンベルメニュー③腕
鍛えられる筋肉
上腕二頭筋・上腕筋
上腕二頭筋は内側にある短頭と外側にある長頭に分かれています。
一般的には長頭が動員されやすく、短頭を動員する時は前腕の回外(小指側が上に来るように手のひらを返す動作)を行うと良いです。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は上腕二頭筋の裏側に位置し、外側にある外側頭、内側にある長頭、下の方にある内側頭に分かれています。
一般的に外側頭・内側頭が鍛えられやすく、長頭は肩甲骨についていることを考慮して、肘が肩より高い位置での伸展動作(後述のフレンチプレスのフォーム)を行うのが良いです。
腕を鍛えるダンベルメニュー①アームカール
やり方
- ダンベルを両手に持ち、肘を体側に合わせる
- 両手の肘を固定した状態で肘先のみを上げていく
- 限界まで挙上したら、ゆっくりと下ろしていく
上腕二頭筋を鍛える代表種目がアームカールです。片腕ずつ交互に上げるやり方や、前腕の回外(手のひらが外を向くように回る動き)しながらやる方法もあります。
初心者は特に肘が動きやすいですが、肘が動いてしまうと筋肉が縮まらなくなるので、肘を脇の横に固定する意識が重要です。
腕を鍛えるダンベルメニュー②ハンマーカール
やり方
- 親指を上に向けてダンベルを持ち、肘を体側につけ膝を少し曲げて直立
- 肘を固定したまま肘先のみを上げていく
- 肘が直角になるまで持ち上げたら、ゆっくり戻していく
ハンマーカールは上腕二頭筋と三頭筋の中間にある筋肉である上腕筋、肘から手首あたりまで広がる腕撓骨筋を鍛えるトレーニングです。
上腕二頭筋と合わせて、上腕筋も鍛えることで二の腕がより太くなりますよ。
腕を鍛えるダンベルメニュー③トライセプスキックバック
やり方
- 片手でダンベルを持ち反対側の手と膝をベンチにつく
- 手と膝で上体を前傾させたまま固定する
- ダンベルを持った腕の肘を体側につけたまま、肘を伸ばしてダンベルを挙上する
上腕三頭筋の種目は非常に多いですが、初心者におすすめな種目の一つがトライセプスキックバックです。
上記の動画のように効かせたい三頭筋以外の部位をベンチを使って安定させた状態で、肘を伸ばし切る動き+肘を後ろに振り上げる動きを組み合わせます。
肘が動いてしまうと三頭筋への負荷が逃げてしまうので、最初はできる限り肘を固定する意識で行いましょう。
腕を鍛えるダンベルメニュー④フレンチプレス
やり方
- ベンチに座ってダンベルのプレートの裏側を両手で持つ
- 肘を伸ばしたままダンベルが頭上に来るまで持ち上げる
- 肘の位置を固定したまま、ダンベルを頭の下に下ろす
- 十分に上腕三頭筋のストレッチを感じたところで頭上まで持ち上げていく
フレンチプレスは、上腕三頭筋の中でも特に長頭への負荷が強い種目です。筋肉が伸び切った時に最大負荷がかかり、肘の怪我のリスクが高い種目です。
上記の動画で怪我を予防できるフォームを身に着けて取り組みましょう。
筋トレ初心者がやるべきダンベルメニュー⑤肩
ショルダープレスやサイドレイズはメジャーな種目で初心者からも人気ですが、三角筋後部(リア)の種目を知らない初心者は多く、そもそもどこに筋肉があるのかすら知らない人も多いです。
前部と中部ばかり鍛えてしまうと筋肉が前に引っ張られてしまい、次第に巻き肩になっていきます。
また、前部はベンチプレスでも鍛えられる部位なので、中部と後部の比重を大きくしておきたいです。
鍛えられる筋肉
三角筋
三角筋は前面にある前部、体側にある中部、後面にある後部に分かれています。
肩を鍛えるダンベルメニュー①ショルダープレス
ショルダープレスは三角筋前部を鍛える代表種目です。初心者は垂直にダンベルを上げる軌道で行いやすいですが、正しくは頭側に向かって斜め上に上がる軌道です。
また、肘が伸び切るまで上げてしまうと筋肉への負荷が抜けて、その分の負荷が関節にかかるため伸び切る直前をフィニッシュポジションとしましょう。
やり方
- 背もたれを垂直になる手前まで立てて、しっかりと腰掛ける
- 両手にダンベルを持ち、ダンベルが顎と同じ高さになるくらいの位置にセット
- ダンベルが弧を描くように持ち上げていく
- 肘が伸び切る直前まで持ち上げたら、元の位置に戻す
肩を鍛えるダンベルメニュー②サイドレイズ
やり方
- 両手にダンベルを持ち、腰幅程度の足幅にする
- 肘よりダンベルが下の状態を維持しながら腕を側方に振り上げる
- 肘が肩の高さまで来たところで元の位置に戻していく
サイドレイズは三角筋中部を鍛える代表種目です。動画サムネイルから分かるように、肩の横に張り出している筋肉が三角筋中部です。
前部と後部では他種目でも鍛えられますが、中部は他種目では鍛えられないのでバランスの良い身体を目指すには欠かせない種目です。
肩を鍛えるダンベルメニュー③リアレイズ
やり方
- 両手にダンベルを持ち、上体を前傾させる
- 手のひらが向かい合うようにダンベルを持ち、肩の真下に腕をぶら下げる
- 肘を少し曲げた状態でダンベルを側方に持ち上げる
- 肘が肩の高さまで来たところで元の位置に下ろしていく
ショルダープレスやサイドレイズと比べると、マイナー種目のリアレイズ。目線も下になりフォームを確認できないため、なかなか効いている感覚が分かりづらい種目です。
そのため、ついつい鏡を見てしまうトレーニーは多いですが、そうなるとほぼサイドレイズになってしまい、ますます後部への負荷が逃げてしまいます。
最初はトレーナーやトレーニングに詳しい友人に見てもらって、フォームを身体に染み込ませましょう。
筋トレ初心者が揃えるべきグッズ紹介
筋トレする際はいくつかの道具を使うことで、トレーニング効率の向上、ケガ予防や疲労回復といった効果が得られます。
筆者が初心者におすすめの筋トレグッズを紹介していきます。
初心者が買うべき筋トレグッズ①リストラップ
1つ目は、リストラップです。これを手首に巻きガッチリと固定することで、ケガ予防につながります。
特にベンチプレスやアームカールなどはリストラップをつけないと、手首が曲がりやすく腱鞘炎の原因にもなります。
トレーニングを初めて間もないうちはフォームも不安定になりがちなので、リストラップを巻き安全にトレーニングを行いましょう。
おすすめのリストラップ①Schiek
- 価格:2980円(税込)
- 色:レッド・ブルー・ホワイト・ピンク
最もおすすめのリストラップは、Schiek社はアメリカで25年以上の歴史をもつ信頼のおけるメーカーです。
多くのトップボディビルダーが愛用していることから、いかに品質が優れているかが分かります。
おすすめのリストラップ②FERRY
- 価格:980円(税込)
- 色:レッド・イエロー・グレー・ブルー
コスパを重視する方はFERRY社のリストラップがおすすめです。価格の面で他社より安い分、性能に不安を抱く方もいるでしょう。
筆者はこのリストラップを半年以上使っていますが、未だに問題なく使えています。その間、特に怪我をすることもなかったので品質面は保証できます。
初心者が買うべき筋トレグッズ②ヨガマット
2つ目はヨガマットです。自宅でトレーニングする際に下に敷くことで、トレーニングがしやすくなります。
また、ウォーミングアップやクールダウンのストレッチをする際にもあると便利ですね。
「床が固くて、トレーニングしづらい!」と感じた方はやる気が下がらないうちに揃えましょう。
おすすめのヨガマット①adidas
- グレー:3,773円(税込)
- ブラック:3881円(税込)
- ブルー:4,900円(税込)
ヨガマットは、アディダスのヨガマットがおすすめです。マット上でトレーニングするとズレやすいのが問題ですが、これは裏面のノンスリップ加工によりズレる心配はありません。
また、10mmと分厚く柔らかさも兼ね備えているため、腹筋トレーニングなど仰向けになるようなトレーニングでも問題なく行なえます。
おすすめのヨガマット②LICLI
- 価格:2,780円(税込)
- カラー:パープル・ピンク・ブルー・グレー・ブラック・オレンジ・グリーン
もう一つは、LICLIのヨガマットです。優れたクッション性と凸凹で快適にトレーニングできます。水洗いもできるため、匂いの心配もありません。
初心者が買うべき筋トレグッズ③フォームローラー/ストレッチポール
3つ目はフォームローラーです。トレーニング後に身体をほぐして、疲労回復効果を高めるのに役立ちます。
特に脚や背中のトレーニングでは腰に負担がかかりやすく、その後にフォームローラーを使うことで腰に溜まった疲れも回復します。
仕事が終わって疲れているときにも、お風呂上がりにフォームローラーを使うと楽になるので試してみてくださいね。
ちなみにストレッチポールも同様の効果がありますが、フォームローラーの方がコンパクトで片脚ずつ行えるのでフォームローラーを推奨します。
おすすめのフォームローラー:adidas
- ブラック×レッド:3,882円(税込)
- ブラック×ブルー:3,973円(税込)
フォームローラーのおすすめはアディダスのフォームローラーです。フィットネスジムの最高峰ともいえるゴールドジムでも、このフォームローラーが置いてあります。
通常のフォームローラーは凸凹しているものが多いですが、これは凸凹がなく背中にボコボコとした刺激がきません。
たくさんの種類があるフォームローラーですが、迷ったらアディダスがおすすめですよ。
初心者が買うべき筋トレグッズ④ゴムチューブ
トレーニングとストレッチの両方に役立つゴムチューブも買っておいて損はないです。
コンパクトなサイズなので旅先でトレーニングしたいときにも重宝しますよ。
おすすめチューブ:Lintelek
価格:1,199円(税込)
グリーン<ブルー<イエロー<レッド<ブラックの順に強度が強くなっており、弱いものをストレッチ用、強いものをトレーニング用にすると良いでしょう。
5種類もあるのに、これほど低価格なのも魅力的です。
ダンベルの筋トレで脱初心者を目指そう!
今回は筋トレ初心者におすすめのダンベル用トレーニング、各部位をどのように鍛えるのかについて紹介してきました。
初心者の場合は自分のイメージと実際のフォームがずれている場合が多いため、動画や鏡を見ながら個々のポイントを一つずつできているかチェックしましょう。
また、筋肉が鍛えられる動きを理解し、トレーニングに取り組むことで一気に身体が成長し、脱初心者の道にたどり着くでしょう。